2012年3月11日日曜日

東北大震災から1年

東北大震災から1年。死者行方不明者合わせて約19000人の犠牲者を出した震災から1年たった。私は、あの時、人間ドックで診察中だったが、いつもの地震より大きいなと思った揺れが、数分間続いた。この長い時間はこれまで経験したことのないことだった。そのまましばらく診療を続けたあと、スタッフの休息場所になっている小さな部屋のTVから、津波が押し寄せている光景を見ていた。その後の日本の状況は、朝から続いているTVの特別番組の中で、さまざまな面から報道されている。人々の意識が大きく変わった部分と、いまなお変われずにいる部分があることを感じている。自分の中でも変わった部分と、変われずにいる部分が共存している。考えていることのなかで、生活や意識のなかで、少しずつ変化をすべく、努力してみようとこれからの人生の目標を立てたいと思っている。同僚のC医師が4月から石巻市の仮設住宅のある地域の診療所に赴任することも、これまでの彼の地域医療へのスタンスからはきわめて当然の帰結と思うが、専門家といわれる人たちが、当然のことを当然のようにしてこなかったことは、福島の原子力発電所災害とその後の対応をみればあきらかだ。日本では、C医師のような専門家のなんと少ないことか。

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